deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ~わたしは生徒で、彼は先生で~
「どうしたの~。急な引っ越しでわたし達もビックリしたのよ。」
「引っ越し?」
「星也ちゃん、まさか知らなかったの?」
「・・・・・・・・・。すいません。」
一礼して、何もない家に入り玄関を締めた。
家の片隅に、まるでゴミのように積まれているわたしの荷物。
ありえない現実がそこにあった。
わたしは、その場にしゃがみこみ、何も考えられなかった。
頬に涙が一筋こぼれた。
そして、不安がいっきに押し寄せた。
わたし、今からどうやって生きて行けばいいの?
わたしは、外に飛び出した。
夕暮れが眩しくて、わたしには頼れる人も居なくて。
そんなわたしの目に飛び込んできたのが、夜の求人。
今までは、別世界だった。
でも今は、身近に感じて。
すがる思いで手に取ると、何も考えず走り出した。
何も考えられなかった。ただ、がむしゃらだった。
わたしは、1件の店に迷い込んだ。