deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ~わたしは生徒で、彼は先生で~
ピアノの生演奏。
大きいシャンデリア。
大理石のフロアに綺麗に活け込まれた高価そうな花々。
きっと、わたしは一生足を踏み込むことのなかった世界に足を踏み込んだんだ。
目の前に座ってほほ笑んでる先生はやっぱり大人で・・・。
食事のマナーとか全然知らないわたしは、焦るばかりで。
「そんなに緊張しなくていいから。 」
「だって先生、わたし、マナ―も何もわからないよ。」
「俺の真似をして。」
「うん。 でも先生いつの間に予約してたの? それも貸し切りなんて。」
「事務所で深海待ってる間にな。 念のため貸し切りにしておいた。」
「念のためね。」
「あぁ、どこで見られるか? 一応お前は生徒で、俺は担任だからな。」
「ふ~ん。」
何故か、何故か寂しくなった。
先生の口から、生徒とか担任とかって言葉が出てきたことに。
何か見捨てられたような、そんなんじゃないって分かっていても寂しかったんだ。
生徒と教師、越えられない壁がそこにあるから。