ラスト・ゲーム
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カーテンから差し込む眩しい光が、俺の目を覚ます。
…まだ六時にもなっていない。
「麻子との朝練」の習慣が染み付いてしまったのだろうか。まだぼんやりとする頭の中で、昨日の出来事がしだいに鮮やかに浮かび上がろうともがき始める。
それが怖くて、俺は自分を何かから覆い隠すように、再び布団に潜った。
「…元也!」
耳元で響く、大きな声。
─もう少し寝かせろよ、まだ六時だろ。
「元也!」
鳴り止まない目覚ましのようなソレに、俺はうっとおしそうに寝返りをうった。
「何時まで寝てるの!もう12時よ?」
─じゅうに……じ…!?
母さんの声の意味を理解してやっと、反射的に飛び起きた。
「かっ…母さん、親父は!?」
母さんはそんな俺を横目に、笑って答える。
「とっくに仕事よ!まぁ土曜日だから早く帰っては来ると思うけど…」
─しまった。
朝一番に、昨日のことを謝るつもりだったのに。
昼からの部活には余裕で間に合う時間だったが、俺はあえてそれを考えるのを止めた。