ラスト・ゲーム
「~っ…いいから来い!」
―…カバの怒鳴る声が、耳に響いた。
心臓が、跳ねる。
「……せんせ」
「バスケの試合、出場停止になるかもしれないんだぞ!!」
……え?
しゅつ…じょ…う……
てい…し………?
「バスケの試合の連盟から、連絡があってな…」
俺の脳裏に…鮮やかに赤い斑点が、浮かび上がった。
―もしかして…それは…っ
「…そ…れは……昨日の、俺の…行為の……せいですか―…?」
…振り絞って、出した声。
カバは、黙ったままで…答えない。
「先生っ……!」
「…お前の口から、本当の話を聞きたいんだ。」
カバは、ゆっくり…でも、力強く、そう言った。
「俺は、お前の言葉を…それだけを、信じるから…だから…お前の口から、聞きたいんだ」
…電話を持つ手が、震える。
違う。体全部が、これ以上になく、震えていた。
赤い斑点が、頭の中を覆いつくす―…
「先生……い…ま、学校から…電話してるんですか…」
声も、震えていた。