ラスト・ゲーム




元へ。


あたしの気持ちを、上手に口で伝えられる自信がなくて、だから、文字にしようと思う。

元、きっと今…苦しいよね。

ううん、「苦しい」なんて
言葉じゃ、表せないよね。

あたしは元に、無責任なことは言いたくないから。
だから、″元の気持ちがよくわかるよ″なんて、言わないよ。

…あたし、元の苦しみがどれ程かなんて、わからない。これが、ほんとのことなの。


でもね、元。


あたしが元の支えになれるとしたら、あたしは支えになりたい。
もしあたしが元の勇気になれるなら、あたしは元の、勇気になりたい。
…もしあたしが、あなた
の笑顔になれるなら、どんことをしてでも、あなたの笑顔になりたいの。


これも、本当の気持ちよ?


…ねえ、元。


一つだけ、言っておきたいことがあるの。


元にとってはどうでもいいことかもしれないけど……


あたし、田原くんとは何もないの。あの日は、ちょっと話さなきゃならないことがあったんだ。


元は、あたしのこと、好きじゃないって…そう言ったよね。

…だから、本当は、こんなこと伝えなくてよかったのかもしれない。


どうでもいい話だったかもしれない。



でもね、元…






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