ラスト・ゲーム
「…え……?」
いきなりの笛音に、驚きを露にする俺。
ふりかえった麻子は微笑んで、こう…叫んだ。
「ただ今より、城下高校男子バスケットボール部の、最後の試合を始めます!」
─事態がよく、飲み込めない。
「…何言って……?」
だって、ここには、俺と、麻子しか………
─ダム、ダム、ダム…
ドアの向こうから、響く音。
何重にも、何重にも…
聞こえてくる、音。
「─嘘、だろ……」
全身に、鳥肌が立つ。
そんなことが、あるはずが…
ギィ、と鈍い音をたてて、体育館のドアが開く。
視界に広がる、眩しい光。
思わず目を細めて、天井を仰いだ。
そして俺が見たものは─…