ラスト・ゲーム
「……な…んで……」
俺の目に映るのは、
翔太の、笑顔。
バスケ部全員の…笑顔だった。
─なんで…どうして、ここに、みんなが?
「遅いぞ!元也!!」
翔太が笑いながら、俺にボールをパスする。
─パシッ!
威勢のよい音と共に、俺の手は、しっかりそれを…受け取った。
─なんで、
なんでみんないるんだよ…
俺は、あんなにひどいことをしたのに……
目の前の景色が、滲む。
滲んで、歪んで、ぐちゃぐちゃになった。
「俺は……っ、お前らを…裏切ったんだぞ?」
…あんなに、一番酷い形で。
みんなの青春を、みんなの全てをかけた…
『ラスト・ゲーム』を奪うという、形で───