ラスト・ゲーム
「…お前ら…っ、バカだよ……」
…バカだよ──
こんな俺を、許してくれるなんて。
こんな俺を、待っていてくれるなんて─……
「カバから、話は聞いたよ。」
翔太が、ゆっくりと口を開いた。
「早水は、バスケ部を必死で守ろうとしたって。自分はどうなってもいいから、俺たちのことを…守ろうとして、夜に学校に走ってきてくれたって。元也は…精一杯のことを、やっていたって………だから、早水を恨まないでくれ…って…」
─涙が、溢れる。
「…まぁ、カバにいわれなくたって俺たちは元也を恨んだりしないけどな!」
…『だって、』翔太は言葉を続け、俺と真正面に向き合う。
「元也は、ここに戻ってきてくれるって…信じてたから」
翔太は、みんなは、ニッコリ笑って……そして、
「お帰りなさい!!」
…そう、言ったんだ。
俺の目からは涙が止めどなく溢れては流れ…床に弾かれては、溢れた。
「…泣くのは、まだ早いよ」
麻子が、俺の手を握り、
俺を、体育館へと。
…俺たちの、体育館へと
引っ張り込んだ。