ラスト・ゲーム
─久しぶりの体育館。
何もかもが懐かしく、嬉しく……そして、眩しい。
─茶色い床
─消えかかった電灯
─バスケットゴール
─こもった熱気
…みんなの、笑顔。
そして、俺。
″早水 元也″が、ここにいた。
──ああ、ここにいたんだね。
俺は…早水 元也は、布団の中なんかじゃなく、暗闇なんかじゃなく──
体育館で、
…この、体育館で、
俺をずっと、待っていてくれたんだね…。
「…ただいま」
遅くなっちゃったけど、
今、帰ったよ。
□□
──ピーッ!!
試合の開始の笛の音が、
─こだました。