ラスト・ゲーム
やっぱり、バスケバカ。
□□
夕暮れの帰り道。
…俺の隣には、麻子の姿。
さっきのことが今更ながらに恥ずかしくなって、お互いに照れてしまい……黙ったまま、横に並んで歩いた。
暖かい風が、俺たちの横を吹き抜ける。
麻子の少し伸びた髪が、夕日の色に染まって、キラキラと輝いている。
それが綺麗で…眩しくて。
俺は、少し目を細めた。
麻子と俺の手が、かすかに触れる。
俺は、麻子の手を…
麻子は、俺の手を……
優しく、握った。
繋がった先からジンワリと、滲むように伝わる体温。
「……麻子」
俺は、ゆっくり…話し出した。