ラスト・ゲーム
坂の上にある、親父の場所に視線を移す。
…緑が揺れる。
まるで貼り付けられたように…そのままじっと、一点を見つめていた。
…なぁ、親父。
…いいよな………?
俺たちの最後の試合を見守ってきたボール。
俺の
…そして親父の
『ラストゲーム』を見てきたボール。
目線をそのまま、空に投げた。
″これでいいんだよな、親父……″
これからも、
ずっと
ずっとずっと…
そのボールが、幾つものラストゲームを…
見守っていてくれますように。
視界に入りきらない、澄んだ青空。
…その空が、優しく…笑った気がした。