ラスト・ゲーム
「…守りたいものを…守る?」
「ああ」
親父は一息ついてから、まだ立ち尽くす俺にこう言った。
「…つーか毎日たのしけりゃいいんだよ」
…なんて親父らしい締めくくりだ。
俺は思わず吹き出しそうになってしまった。
親父は満足そうに笑って俺を引き寄せ、くしゃりと頭を撫でる。
俺も笑って隣に座り、親父の飲みかけのビールをぐいっと飲んだ。
「…ぬるい。」
親父は笑った。
…俺も笑った。
なんだか、ちゃんと心から笑えた、そう思えた。
親父の飲みかけのぬるいビールは、乾いた俺の喉に…深く、染み渡った。