ラスト・ゲーム
翔太は、じっと俺を見ていた。
喉の奥が、ヒリヒリする。
俺も、そんな翔太から目をそらすことはできなくなっていた。
『向こうがどう思ってようが、お前は麻子ちゃんが好きなんだろ』
…俺は。
言い訳とか、照れ臭さとか、意地を張るとか、そうゆうの全部取り除いて…
俺は──。
真剣な彼の瞳に移る俺の姿に、まるで自分自身と対面しているような錯覚に陥る。
僅かに口を開きかけた、その時。
「あんたら!いつまでおんの!もう授業始まるやろ!」
水をひっくり返したような威勢のいい声食堂のおばちゃんの声に、俺の言葉は遮られた。
気が付くと、食堂に残っているのは俺と翔太のみ。
時計を見ると授業開始までもう2分を切っていた。
「やべっ!」