ラスト・ゲーム


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今日は暑い。


体育館は閉めきっているために熱気がこもって、その暑さをさらに煽っていた。
しかしその熱気が、かえって俺をやる気にさせる。



体育館の床に引き寄せられるようにポトリと落ちる、大粒の汗。

耳から入るのは跳ねるボールの音だけで、汗を拭ってはその音を追うように走り続ける。




練習メニュー。

フットワーク、パス練、シュート練習、3on3、1on1、3対2対1、試合形式練習。


…プラス麻子とのフリースロー対決。



麻子は女バスのキャプテンで、これがなかなか侮れないヤツだった。特にフリースローは、100発100中ってほどうまい。

残念なことにこちらの俺の確率はジュース10本中3本だった。


俺のサイフを軽くする麻子は…ムカつくけど、ちょっと、可愛い。




今日もいつものように練習後、麻子に近づいた時だった。


「麻子ちゃん切ったの、髪!」


俺より先に変化に気付いたのは翔太だった。



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