ラスト・ゲーム



□□





─ポチャン…



俺の蹴った石が、入水した水面を波立たせる。



「なんか元、眠そうだね」


いつもの帰り道…虚ろな目をシパシパさせる、俺の隣。

麻子が、首を傾けて小さく笑った。






試合が近づくにつれ、練習の厳しさも部員の覇気も格段に増していた。

─体育館に飛び交う、熱の塊。


それに輪をかけるように慣れない早起きをこなし、朝練にまで手を伸ばす俺の授業中の熟睡度は、もちろん格別の数値を叩き出していた。



「あ~…、うん。大丈夫」

「大丈夫じゃないでしょ」



…鯖みたいな目ぇしてたけど。そんなことを言って、麻子はイタズラっぽく俺を小突く。



「ねぇ、元。」

「ん?」

「朝の話の続き、して?」





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