ラスト・ゲーム
「元にいいニュースがあるんだよ」
そう言って、翔太は俺の目の前に紙を広げた。
『試合トーナメント表。』
少しシワのよったその紙の上に、これでもかと立ち並んだ高校名たち。
「俺たちの初戦の相手は、八田工だ!」
翔太は俺に向かって嬉しそうに笑う。
″八田川工業高校″。
この高校の生徒は、まぁガラの悪い奴が多いのは事実で、バスケ部も試合に出れるギリギリの人数しかいなかった。
…つまり交代無しってこと。圧倒的に、俺たちが有利だ。
俺も翔太に笑みを返した。
「…どうやら景気よくいけそうだな」
チラッと見ただけだが、二回戦以降も組み合わせがいいようだ。…これは本当にいい線いけそうだ。
「これはアレだな、日頃の俺の行いを神様が…」
「お前の日頃の行いをホントに神様が見てたら、俺たちはマンモスとでも戦わざるを得ないだろうな」