ラスト・ゲーム
翔太がくれた缶コーヒーを飲みながら、そう言ってニヤリと笑う。
コーヒーの苦さが体に染み渡って、俺の試合に向けての情熱をさらに揺さぶった気がした。
「マンモスはないだろ~」
翔太が眉をひそめて口を尖らせる。
「いや、多分マンモスだよ」
「…せめてキリンとか」
「ふはっ、それ微妙だな」
俺は笑って、空になった缶を翔太の手に戻してやった。
─授業の始まりを、チャイムが告げる。
ノートを開き、お世辞にもうまいとは言えない書きなぐった字の後に、相変わらずの字を並べ始める。
「え~…このthatが指すものは……」
ものの三分。
カップラーメンが出来るかも危うい短時間。
…翔太のコーヒーの効き目もなく、俺は深い、眠りに落ちた。