ラスト・ゲーム
……
─夢を、見た。
麻子が、俺に笑いかけてる夢。
俺もそれに微笑んで、少し照れたように頭をくしゃりと掴みながら、麻子の元へ歩いていく。
「………?」
でも歩いても歩いても、一向に距離が縮まらないんだ。
俺は、走った。
走って、息が途切れて。
そしたら麻子が、俺に背を向けてずっとむこうに歩いていってしまうんだ。
「~麻子、待って!」
必死で追いかけて、麻子の腕を掴もうとした。
…その瞬間。
俺の足元にすごく暗くて、深い穴が現れて。
俺は、その中に
まるで、吸い込まれるかのように
…堕ちていったんだ。
……