ラスト・ゲーム
衝撃
□□
─パスっ!!
最近朝練のおかげか、3Pシュートがよく入るようになった。
麻子も麻子で、カンを取り戻したのかいつもの好調ぶりを発揮するまでになっていた。
…麻子との朝練も今日で4日目。
彼女の方に目をやると、丁度軽やかなフリースローを決めるところだった。
─パスっ!
体育館には、俺たちの鼓動と、ボールとゴールネットの衣擦れの音だけ。
鼓動がうるさいのは、
先ほどから始めたドリブルシュートで走り回っているせいか…それとも麻子がいるからか。
どっちにしたって、この体を動かす鼓動は心地よい。
最初の日から変わっていなかった。
…最後の五分になると、麻子と俺との1on1が始まる。