ラスト・ゲーム



□□



最 悪 だ。



俺は、目の前に広がる、空欄だらけの白い紙を睨みつけた。


″学期始めテスト追試″
《30点以下の者を対象とする》



…バッチリ、入会していた。





この目の前にある紙と、俺のシワがあまり刻まれていないであろう脳みそのせいで、朝練には行けずじまい。

口端からは、どうしても自然とため息が漏れ出る。



…放課後まで、麻子に会えない。




目の前の最後通蝶から目を反らし、ふて腐れた面を外の景色に向ける。


空は嫌みなほど綺麗に晴れて、隅々まで溢れかえっている太陽の光。



…空の雨雲を、俺は全部引き取ってしまったのだろうか。


終わらないため息。

窓の外に広がる青い空とは対照的に、俺の心には臼黒い雲が広がっていた。





< 84 / 209 >

この作品をシェア

pagetop