ラスト・ゲーム
試合も少しずつ、そして確実に、迫っている。
練習にも意識さずとも熱が入った。最近の具合を見ると、チームにもまとまりができているし、プレーにも磨きがかかっている。
部員全員のやる気が、体育館に充満して、温度をさらに上昇させていた。
─最後の試合─
…絶対、悔いは残したくない。
みんな気持ちは同じだった。
追いかけるものは、一緒だった。
最後の試合形式練習では、青木の活躍もなかなかに見受けられた。
一年生だが、人より努力をしているだけはある。部長として今度の試合のベンチメンバーにも、選ぶつもりだ。
部長と顧問で話し合いをして決めるベンチメンバーは、部員たちがそれぞれに努力を重ねていることはわかっていながら、さすがに全員を出すわけにもいかないので、本当にいつも悩みに悩む。
練習後、水分補給をしていた俺の肩に、誰かが触れた。
…もう一人の部長、麻子だった。