ラスト・ゲーム


あんパンの所為で喉が渇き、水分を求めて冷蔵庫をまさぐる。

手にとったペットボトルの水を一気に流し込むと、ひんやりとした感触が渇いた体内に染み込んだ。




─窓から照る日差しが眩しい。


庭のバスケットゴールが、日光浴をしているかのように気持ち良さそうにキラキラ輝いている。


焼けつくような日差しの中…俺は何かを思い立ったように庭に出て、そのバスケットゴールに向き合った。




フリースローの位置で、ボールを構える。




″入ったら″


…部活だけでも行こう。


ダラダラと家に引きこもっていたのでは、身体も心も鈍くなる。



ゴールと、正面で向き合う。

ブツブツした感触を確かめるように、ボールを掴みとる。



一度、大きく深呼吸。




俺の手から繰り出されたボールは…リングにためらいもなく弾かれ、


…落ちていった。






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