月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
「もうこちらに向かってもらっています」
あたしと北島警視がやり取りしている間、達郎は老人の遺体をじっと観察していた。
「気の毒に、だいぶ濡れちまってるな」
遺体は長時間ここにさらされていたのだろう。
体も下着もびしょ濡れで、薄い髪は頭にぴったり張り付いていた。
「首に絞められた痕があります」
捜査員の1人があたしたちにそう告げた。
指摘された箇所を見ると、確かに何かで絞められたような痕があった。
「こりゃ殺しですね。犯人はこの老人に顔を見られたんで、拉致したんですよ」
別の捜査員が言った。
「そして殺害して、この場所へ遺棄したんです」
だとしたらひどい話だ。
この老人が一体なにをしたというのか。
憤りを覚えたあたしは、今はまだ見当もつかない犯人に向かって唇を噛みしめた。
「北島警視、ご家族の方が到着いたしました」
また別の捜査員が来て言った。
あたしと北島警視がやり取りしている間、達郎は老人の遺体をじっと観察していた。
「気の毒に、だいぶ濡れちまってるな」
遺体は長時間ここにさらされていたのだろう。
体も下着もびしょ濡れで、薄い髪は頭にぴったり張り付いていた。
「首に絞められた痕があります」
捜査員の1人があたしたちにそう告げた。
指摘された箇所を見ると、確かに何かで絞められたような痕があった。
「こりゃ殺しですね。犯人はこの老人に顔を見られたんで、拉致したんですよ」
別の捜査員が言った。
「そして殺害して、この場所へ遺棄したんです」
だとしたらひどい話だ。
この老人が一体なにをしたというのか。
憤りを覚えたあたしは、今はまだ見当もつかない犯人に向かって唇を噛みしめた。
「北島警視、ご家族の方が到着いたしました」
また別の捜査員が来て言った。