月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
昨夜未明から降り続けた雨はようやく小降りとなり、ハンドルを握るあたしの手は、ようやく緊張から解き放たれつつあった。
運転に自信がないわけじゃないけど、慣れない土地での運転はやはり意識してしまう。
雨の道なら尚更だ。
「第1話で死体見つけた時も雨だったもんね」
あたし日野麗美はつぶやいた。
「なに言ってんだレミ」
助手席から達郎のツッコミが入った。
いつもの黒スーツ姿の従兄弟は、目下のところ機嫌が悪い。
普段は憂いの色が浮かんでいるその瞳は、ただどんよりとしているだけ。
「仕方ないでしょう。午前中には警視庁に戻らなきゃいけないんだから」
いまあたしたちが走っているのはN県の県道。
東京都の桜田門に戻るには、たっぷり4時間はかかる。
そのためあたしは今朝6時前に達郎を叩き起こし、宿を発った。
達郎の機嫌が悪いのは、そのためだ。
「だからオレは1人で帰るって言っただろ」
運転に自信がないわけじゃないけど、慣れない土地での運転はやはり意識してしまう。
雨の道なら尚更だ。
「第1話で死体見つけた時も雨だったもんね」
あたし日野麗美はつぶやいた。
「なに言ってんだレミ」
助手席から達郎のツッコミが入った。
いつもの黒スーツ姿の従兄弟は、目下のところ機嫌が悪い。
普段は憂いの色が浮かんでいるその瞳は、ただどんよりとしているだけ。
「仕方ないでしょう。午前中には警視庁に戻らなきゃいけないんだから」
いまあたしたちが走っているのはN県の県道。
東京都の桜田門に戻るには、たっぷり4時間はかかる。
そのためあたしは今朝6時前に達郎を叩き起こし、宿を発った。
達郎の機嫌が悪いのは、そのためだ。
「だからオレは1人で帰るって言っただろ」