月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
「土砂災害です。大雨で家の裏の山が崩れたそうです」
外出していた光子は難を逃れたが、両親は生き埋めになった。
「御両親の遺体が掘り出されたのは5日もたってからのことだったそうですよ。やり切れない話ですよね」
両親を失った光子は悲しみをふり払うかのようにして、故郷を離れた。
そして知り合いを頼ってここN県に移住。
哲夫と出会い、結婚したそうだ。
「自分が早くに両親を亡くしたせいか、義理の父親である広義さんには本当によくしていました」
仁藤は再び目頭を押さえた。
「土砂災害ですか…」
達郎が唇を尖らせた。
「ひとつ伺ってもよろしいですか」
「はい、何でしょう」
「光子さんが仁藤さんのお宅へ来る時、哲夫さんはいつもどうしていましたか?」
「どうしていたかと言いますと…」
「光子さんと一緒に、仁藤さんのお宅へ来ていたかということです」
「いえ、来る時はいつも光子さん1人でした」
外出していた光子は難を逃れたが、両親は生き埋めになった。
「御両親の遺体が掘り出されたのは5日もたってからのことだったそうですよ。やり切れない話ですよね」
両親を失った光子は悲しみをふり払うかのようにして、故郷を離れた。
そして知り合いを頼ってここN県に移住。
哲夫と出会い、結婚したそうだ。
「自分が早くに両親を亡くしたせいか、義理の父親である広義さんには本当によくしていました」
仁藤は再び目頭を押さえた。
「土砂災害ですか…」
達郎が唇を尖らせた。
「ひとつ伺ってもよろしいですか」
「はい、何でしょう」
「光子さんが仁藤さんのお宅へ来る時、哲夫さんはいつもどうしていましたか?」
「どうしていたかと言いますと…」
「光子さんと一緒に、仁藤さんのお宅へ来ていたかということです」
「いえ、来る時はいつも光子さん1人でした」