月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
「何も起こらなかったって…現に鳥海広義は拉致されているのよ?」
広義の状態については、先ほど仁藤から聞いたばかりだ。
1人で外出できる体でなければ、何者かに拉致されたと考えるしかない。
「そこなんだけどさ」
そう言いながら達郎は、鳥海家の敷地へと入っていった。
「ちょっと達郎!」
お願いだから不法侵入はやめてー!
しかしそう訴えたところでやめる男ではない。
あたしは渋々達郎の後を追った。
「夫婦の寝室は…」
「こっちよ」
鳥海家の間取りは北島警視から教わっていた。
40坪ほどの敷地に建てられた平屋の日本家屋で、玄関から右へ回り込めばすぐに夫婦の寝室だ。
何者かの侵入口となった鳥海夫妻の寝室は雨戸で閉ざされていた。
「これじゃ中はのぞけないな」
「別にのぞかなくていいわよ」
「現場の状況をつかみたかったんだよ」
「あらゴメンなさいね」
どっちにしろ、雨戸が閉まっていたのはあたしのせいじゃない。
広義の状態については、先ほど仁藤から聞いたばかりだ。
1人で外出できる体でなければ、何者かに拉致されたと考えるしかない。
「そこなんだけどさ」
そう言いながら達郎は、鳥海家の敷地へと入っていった。
「ちょっと達郎!」
お願いだから不法侵入はやめてー!
しかしそう訴えたところでやめる男ではない。
あたしは渋々達郎の後を追った。
「夫婦の寝室は…」
「こっちよ」
鳥海家の間取りは北島警視から教わっていた。
40坪ほどの敷地に建てられた平屋の日本家屋で、玄関から右へ回り込めばすぐに夫婦の寝室だ。
何者かの侵入口となった鳥海夫妻の寝室は雨戸で閉ざされていた。
「これじゃ中はのぞけないな」
「別にのぞかなくていいわよ」
「現場の状況をつかみたかったんだよ」
「あらゴメンなさいね」
どっちにしろ、雨戸が閉まっていたのはあたしのせいじゃない。