月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
庭の片隅に棒が4本立っていた。
近寄って見ると、土を掘り返したような跡があり、棒には糸が張られ、囲いが出来ていた。
囲いの高さはちょうど膝ぐらい。
広さはエゴマの花壇より若干せまい程度だった。
達郎は黒い絹の手袋を手にはめると、屈み込んで囲いの中の土に触れた。
「こいつは花壇じゃないな。土をほじくり返したところをそれらしく囲っただけだ」
「どうしてそう言い切れるのよ」
「エゴマの花壇はレンガで囲ってあったが、こいつはそうじゃない。しかも、ところどころに雑草がある」
そう言われてみれば、囲いの中には小さな芽が幾つも顔を出していた。
「恐らく先日の雨以来、手をいれてないんだろう。だから雑草が出てきたんだ」
「でも花壇じゃないとしたら、これは何なの?」
問いに対する返事はなく、達郎は唇を尖らせたまま土を見ていた。
「レミ、町に行こう」
しばらくして達郎は声をあたしに向けた。
「息子夫婦に、話を聞きたい」
近寄って見ると、土を掘り返したような跡があり、棒には糸が張られ、囲いが出来ていた。
囲いの高さはちょうど膝ぐらい。
広さはエゴマの花壇より若干せまい程度だった。
達郎は黒い絹の手袋を手にはめると、屈み込んで囲いの中の土に触れた。
「こいつは花壇じゃないな。土をほじくり返したところをそれらしく囲っただけだ」
「どうしてそう言い切れるのよ」
「エゴマの花壇はレンガで囲ってあったが、こいつはそうじゃない。しかも、ところどころに雑草がある」
そう言われてみれば、囲いの中には小さな芽が幾つも顔を出していた。
「恐らく先日の雨以来、手をいれてないんだろう。だから雑草が出てきたんだ」
「でも花壇じゃないとしたら、これは何なの?」
問いに対する返事はなく、達郎は唇を尖らせたまま土を見ていた。
「レミ、町に行こう」
しばらくして達郎は声をあたしに向けた。
「息子夫婦に、話を聞きたい」