月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
でも一体、何のために?
達郎が再び目配せをしてきた。
店のドアをアゴで指している。
【もう充分】という合図だろう。
「それでは、また何かありましたら…」
あたしは糊で貼り付けたような挨拶をして、店のドアへ向かった。
達郎が先を歩き、あたしがその後についてゆく。
「ああ、そうだ」
達郎はドアを押しながら振り返った。
「我々はこの後、写真館へ行きます。何か思い出しましたら、まずそちらへと御足労願えますか」
達郎はさらにこう付け加えた。
「写真館というのは昨日、襲われたという写真館です」
達郎はそれだけ言うと、さっさと店を出た。
あたしもそれに続きざま、ちらりと鳥海夫妻に目をやった。
鳥海夫妻の顔からは、表情というものが抜け落ちていた。
達郎が再び目配せをしてきた。
店のドアをアゴで指している。
【もう充分】という合図だろう。
「それでは、また何かありましたら…」
あたしは糊で貼り付けたような挨拶をして、店のドアへ向かった。
達郎が先を歩き、あたしがその後についてゆく。
「ああ、そうだ」
達郎はドアを押しながら振り返った。
「我々はこの後、写真館へ行きます。何か思い出しましたら、まずそちらへと御足労願えますか」
達郎はさらにこう付け加えた。
「写真館というのは昨日、襲われたという写真館です」
達郎はそれだけ言うと、さっさと店を出た。
あたしもそれに続きざま、ちらりと鳥海夫妻に目をやった。
鳥海夫妻の顔からは、表情というものが抜け落ちていた。