月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
アフロもどき&チョビ髭で、どピンクのジャージ着た小さいオッさんが面白い顔…。

み、見てみたい…。

「レミ」

達郎が肩を叩いた。

「仕事しような」

いかんいかん、また顔に出ていたか。

あたしは頬を叩いて気を引き締めた。

「事件当時の状況を詳しく教えて頂けますか?」

「当時の状況って言われても、俺にはよくわからないんだよね。」

店頭のガラスが割られていたことに気付いたのは昨日。

朝、写真館を開けた時だった。

「一昨日の夜、戸締まりした時は何ともなかったんだけどね」

状況から、真夜中から明け方にかけての、人通りのない時間帯の犯行と思われた。

無論、目撃証言はなし。

「こんな田舎町じゃ夜は誰も出歩かんからね」

「ガラスが割れた音とかはしなかったんですか」

「それがぐっすり寝ちまってたみたいで、気付かなかったんだよな」

住居は2階。

ちなみに独身で1人暮らしだそうだ。

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