月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
「林さん、この写真…」
「その写真はね、K町の風景ってテーマで撮ったうちの1枚さ」
いや、訊きたいのはそういうことではなくて。
「この写真を撮ったのはいつですか?」
「確か盆が明けた頃だったかな」
先月末に現像し、今月の初めから店頭に飾っているという。
この写真が確かだとしたら、3体のうち1体のマネキン人形はどこに行ったのだろうか。
9月8日にあたしたちが見つけたマネキン人形がそうなのか。
だとしたら、あのマネキン人形を捨てたのは、やはり鳥海夫妻?
しかし一体、何のために…?
「達郎…」
だが達郎は、あたしの呼び掛けに答えてくれなかった。
その代わり、瞳には光が浮かんでいた。
いつも浮かんでいる憂いのそれとは違う、すべての真実を見通さんとする光。
あたしはあわててカバンから缶コーヒーを取り出すと、達郎に手渡した。
達郎には変な癖がある。
事件を推理する時、必ず缶コーヒーを手にするのだ。
「その写真はね、K町の風景ってテーマで撮ったうちの1枚さ」
いや、訊きたいのはそういうことではなくて。
「この写真を撮ったのはいつですか?」
「確か盆が明けた頃だったかな」
先月末に現像し、今月の初めから店頭に飾っているという。
この写真が確かだとしたら、3体のうち1体のマネキン人形はどこに行ったのだろうか。
9月8日にあたしたちが見つけたマネキン人形がそうなのか。
だとしたら、あのマネキン人形を捨てたのは、やはり鳥海夫妻?
しかし一体、何のために…?
「達郎…」
だが達郎は、あたしの呼び掛けに答えてくれなかった。
その代わり、瞳には光が浮かんでいた。
いつも浮かんでいる憂いのそれとは違う、すべての真実を見通さんとする光。
あたしはあわててカバンから缶コーヒーを取り出すと、達郎に手渡した。
達郎には変な癖がある。
事件を推理する時、必ず缶コーヒーを手にするのだ。