月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
なんでも初めて事件を解決した時、たまたま缶コーヒーを手にしていたらしく、それ以来癖になっているらしい。
「この人どうしたの?」
林が不思議そうに達郎を指さした。
「静かに!」
あたしは人指し指を唇にあてた。
達郎の沈黙は続く。
微動だにしないその姿はまるで精巧・緻密に作られた人形のようだった。
不意に林がカメラを構えた。
「ちょっと…」
あたしが制する間もなく、ストロボが閃いた。
その後もシャッター音は続き、何回もストロボがたかれた。
どうやら写真家のインスピレーションを刺激してしまったらしい。
そこまで大したもんじゃないだろと、あたしが胸の内でつぶやいたその時、乾いた音がした。
達郎が缶コーヒーを開けた音だった。
そのままコーヒーを一口飲むと、達郎は大きく息を吐いた。
「やっと全部つながったぞ、レミ」
その声は、確信に満ちていた。
「この人どうしたの?」
林が不思議そうに達郎を指さした。
「静かに!」
あたしは人指し指を唇にあてた。
達郎の沈黙は続く。
微動だにしないその姿はまるで精巧・緻密に作られた人形のようだった。
不意に林がカメラを構えた。
「ちょっと…」
あたしが制する間もなく、ストロボが閃いた。
その後もシャッター音は続き、何回もストロボがたかれた。
どうやら写真家のインスピレーションを刺激してしまったらしい。
そこまで大したもんじゃないだろと、あたしが胸の内でつぶやいたその時、乾いた音がした。
達郎が缶コーヒーを開けた音だった。
そのままコーヒーを一口飲むと、達郎は大きく息を吐いた。
「やっと全部つながったぞ、レミ」
その声は、確信に満ちていた。