月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
「恐らくな。そのことによって息子夫婦は、見返りが欲しくなったんだと思う」
「それが保険金…」
「ああ」
達郎はうなずいた。
「でも待って」
あたしは肝心なことを思い出した。
「広義の死亡推定時刻は9月7日の午後10時から8日の午前0時の間よ?」
その時にはもう広義は拉致誘拐されたことになっていて、地元消防団による捜索が行われていた。
そしてそれ以前には息子夫婦の通報で、警察の現場検証も行われている。
「広義が自室で死んだのなら、状況が全くかみ合わないわよ?」
「庭だよ」
達郎はことも無げに言った。
「夫妻は庭に広義の遺体を埋めて腐敗を遅らせ、死亡推定時刻をずらしたんだ」
あたしは以前受けた、法医学の研修内容を思い出した。
死体の置かれた場所によって、その腐敗速度はずいぶん違うという。
空気の流通がよい場合、腐敗はどんどん進むが、悪ければ遅れるそうだ。
「それが保険金…」
「ああ」
達郎はうなずいた。
「でも待って」
あたしは肝心なことを思い出した。
「広義の死亡推定時刻は9月7日の午後10時から8日の午前0時の間よ?」
その時にはもう広義は拉致誘拐されたことになっていて、地元消防団による捜索が行われていた。
そしてそれ以前には息子夫婦の通報で、警察の現場検証も行われている。
「広義が自室で死んだのなら、状況が全くかみ合わないわよ?」
「庭だよ」
達郎はことも無げに言った。
「夫妻は庭に広義の遺体を埋めて腐敗を遅らせ、死亡推定時刻をずらしたんだ」
あたしは以前受けた、法医学の研修内容を思い出した。
死体の置かれた場所によって、その腐敗速度はずいぶん違うという。
空気の流通がよい場合、腐敗はどんどん進むが、悪ければ遅れるそうだ。