その瞳に映して。~先生に恋した私の恋愛日記~
「ほれー教室入れー」
隣のクラスの副担の水野が廊下にいる生徒に呼びかける。
琴美はマジメだからすぐに「じゃ、またあとでね!」って言って、教室に戻っちゃうんだ。
でも、私達のクラスはそんなもんじゃ、廊下から動こうとしない。
「教室はいれー」
「・・・・・・」
「入れって!」
「・・・・絶対イヤ。」
意地でも水野の呼びかけには絶対に従わないんだ。
そして、私達のクラス3組から誰かが顔を出した。
「ほれっ!次国語だぞー、早く教室入れー」
私の大好きな先生。
国語の教師が私達に向かってそう言ってる。
でも・・・私はその呼びかけにも応じなかったんだ。
てか、無理だった。
翔に強く手を握られていたから。
そうして翔が強く手を握っていたかなんて、幼稚な私はまだ何も知らなかったんだ。
そんな翔の気持ちさえも・・・この時翔の瞳から涙が一粒だけ綺麗に流れていたことも。
しばらくたって、先生に教室に無理やり入れられた私達。
それでも嬉しかった。
先生に先生に背中推されたり、頭叩かれたりするのがすごい嬉しく感じたんだ。
「はい!悪ガキが帰ってきたところで授業始めま~す・・・最初は・・・漢字お願いしや~す・・・」
何その喋り方。
また・・・見つけちゃったじゃん。
★7月27日★
今日、国語の時間、佐々木が「漢字お願いしや~す」って言った!ちょーかわいいんですけど♪
そうやって、また手帳に書き足した私。
こんな片想い・・・いつまで続ければいいんだろ・・・・。