歴史の星空に飛び込んで
未来から来たりし少女
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『菅野桃の素性を調べてみたのですが……』
山崎が言葉を濁し、らしくないように言った。
『全くわからないのです。目撃情報も少なく、まるで最近姿を現したような…申し訳ありません』
山崎は仕事をおろそかにしないやつだからと、土方は頷いた。
『お前がそう言うなら、そうなのだろうが、不思議だな』
『はい。勘も鋭いようで』
『へえ、』
いったい少女は何者なのか。
***
「只今戻りました」
私は、もう戻って来ることはないんじゃないかと思っていた屯所の門をくぐり、
幹部の集まる部屋に帰ってきた。