歴史の星空に飛び込んで


バサッと先程まで自分なりに一生懸命縫い直した羽織りに斎藤さんの腕が通されて


斎藤さんはじっと羽織りを見てから、私を見て一言


「悪くない」


静かにそう言ってくれた。


「ありがとうございます!」

「礼を言うのは俺のほうだ」

「え、ありがとうございます」


思わずハニカム。
斎藤さんも優しい表情を浮かべたから。


視線を移すと、目にとまったのは門に立て掛けられた真っ赤な旗だった。


「誠の旗……?」


その旗を見て言うと、斎藤さんはコクリと頷く。


「これが新撰組の象徴でもあるんですよね、
誠の旗の下集いあったって」






< 172 / 565 >

この作品をシェア

pagetop