歴史の星空に飛び込んで


原田さんと永倉さんが久坂さんの後を追っていった。

私は力無く俯くだけ。


彼らを裏切りたかったわけじゃない。

ただ歴史を守るにはこれしかなかった。


「なんで……」

「………………」


何も言わない。言えない。


そんな私を、土方さんと沖田さんはただ見つめるだけだった。

どんな心境なのかな


長州の人間だって思われたかな

新撰組の裏切り者だと思われたかな



「……菅野。お前は新撰組の人間だ」


土方さんはそれだけ言って、私の両手首を後ろでまとめて歩き出した。


「総司、行くぞ」






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