歴史の星空に飛び込んで
「久坂さんが本を先に雪哉さんのところに取りに行ってしまって、雪哉さんが取り返すって言ったから、巻き込んじゃ駄目だと思って
それで、」
「それで一人で取り返しに言ったんですか」
コクンと頷くと、沖田さんの手が私の頬へと伸びかけて
それから、私を触れずにその手は降りていってしまった。
「なんで言わないんですか、あなたはいつも」
いつも沖田さんを裏切るばかり
「だって」
だって
だって
「……ごめんなさい…」
「………誰かを求めるのも求められるのも、私は諦めていました。」
沖田さんは眉を下げて頼りなさげに言葉をつむぎだす。
私は何かを期待するように続きを待つ。