歴史の星空に飛び込んで
静かな夜、蝋燭だけの光りが、怪しくも艶やかに障子の紙を照らし、私のいるこの部屋を明るくしていた。
少し遠くからは三味線のお囃子や、飲み笑い踊っているような明るい声も聞こえたりしている。
花街という感じだろうか。
目の前にいる彼等もまた、私には全く理解出来ない大人な世界だったみたい。
や、変なことじゃなくて
男の人に芸妓さんがお酌してるだけなんだけどね。
「無礼なやつだなぁ」
お酒の入った男の人は、高い位置から私を見据える。そして芸妓さんもチラリと私を見た。
「可愛いこどすやないの」