歴史の星空に飛び込んで
抑える恋情
ある日の昼さがり
桃との約束通りみたらし団子を買って帰り道を急ぐ沖田の後ろから呼ぶ声が聞こえてきた。
「沖田さーん」
「はい?」
手を振って走って来るのは平助。
隊服を着ているから巡察帰りだろう。
「巡察終わったんですか?」
「うん、今帰ってたところ。沖田さんは、みたらし団子買って来たんだ?」
平助は沖田の手にぶら下がるみたらし団子の入れ物を見ながら言った。
「あげませんからね」
「え、また独り占めするつもりですか」
「違いますよ」
じゃあ、と考え平助は思いついたように肩を竦めて笑った。
「桃ちゃんですか」