歴史の星空に飛び込んで
境内は広く、平助は佇む。
特にすることが無くてボーっと立ちすくむといった方が近いかもしれない。
「ん?」
とりあえず石畳みの端に立ちながらぐるりと境内を見渡すと、おさい銭の所に見慣れた人がいることに気付いた。
あれは、あの後ろ姿は、
「佐之さん!」
あのだらし無さは間違いなく原田佐之助その人だ。
知った顔を見つけて暇だったことも忘れて佐之のいる賽銭箱の所まで走る。
「佐之さ〜ん!」
佐之はやっと振り返る
「平助ー、どうしたそんな急いで」