歴史の星空に飛び込んで
「こっちや」
山崎さんが行くぞと目線を送って階段を下りていく。
私も行こうと一歩進んだけれど、感じた視線に振り返った。
「またおこしやす」
さっきの美人さんだ。
廊下の一番端っこの窓枠に座り込みながら、細長い指をヒラリと私に向けて掲げた
その表情は美しくて思わず見とれてしまう。
とっても魅力的な人……。
「菅野さん、行きましょう」
沖田さんは、私の手を掴むどころか肩を抱いて歩き出した。
「早くしないと日が明けてしまいますよ」
「は、はい」
なんであんなに惹かれたのか、全然わからないけど、とっても大事な人だと思った。