歴史の星空に飛び込んで
「……なんでもない」
しばらく斎藤さんは私を見てから、視線をそらしてそう言った。
いやいやいやいや!
絶対なんかあるでしょう!
今度は私が斎藤さんを凝視してしまって、山崎さんが戻っていたことに気付かずに
「何してんの?」
「きゃあ!!」
無駄なまでの反応をしてしまった。
もーほんとうに驚いちゃったんだけど、
しかも悲鳴に近いものを上げてしまったせいか刀を振っていた二人までの視線を集めて、私は山崎さんの後ろに隠れる。
「見とかんでえーの?」
「え?」
山崎さんの背中からヒョイッと顔を出して二人を見ると、その瞬間に空気が変わった。