歴史の星空に飛び込んで
武士として男として
***
山崎さんの後ろを走りながら、私はまだ赤まった頬を抑え切れないでいた。
走ってた方向が真逆だったとか私痛すぎでしょう。
「気ぃつけや、こっからは火の海や」
ほぼ考え事していた私は、山崎さんの言葉にハッと息を飲んだ。
「………!?」
言葉も出ない。
いつもは人で賑わっていた京の町が、煙たくて少し先に火の気も見える。
私達が進んで行く先からは、煤だらけになって逃げて行く人が沢山。
皆大きな荷物を抱えて悲壮な表情を浮かべていた。
街中が焼けているんだ……!