歴史の星空に飛び込んで
「その人の名前は!?」
沖田さんより前に出て巫女さんの肩をガッシリ掴むと、巫女さんはビックリしたように悲鳴をあげた。
「き、木圭いうてはりました」
「きけい?」
沖田さんが首を傾げる。
でも私は知っていた。
「桂さんが使ってる名前だ…」
「え…!」
ということは未来への手掛かりになる本は、また長州の元に、桂さんの元に行ってしまったんだ!
「ケホッ……厄介ですね」
「ありがとうございましたお巫女様」
「いえ」
これじゃあ帰る帰らない迷ってる場合じゃなくて帰れないんだ!
だからお母さんが急かすように教えてくれたんだきっと!