歴史の星空に飛び込んで


「その人の名前は!?」



沖田さんより前に出て巫女さんの肩をガッシリ掴むと、巫女さんはビックリしたように悲鳴をあげた。



「き、木圭いうてはりました」

「きけい?」



沖田さんが首を傾げる。

でも私は知っていた。



「桂さんが使ってる名前だ…」

「え…!」




ということは未来への手掛かりになる本は、また長州の元に、桂さんの元に行ってしまったんだ!


「ケホッ……厄介ですね」

「ありがとうございましたお巫女様」

「いえ」



これじゃあ帰る帰らない迷ってる場合じゃなくて帰れないんだ!


だからお母さんが急かすように教えてくれたんだきっと!






< 374 / 565 >

この作品をシェア

pagetop