歴史の星空に飛び込んで
今一意味のわからなかった私は素っ頓狂な声をあげた。
「実は伏見の寺田屋に坂本らしき人物が最近出入りしているって噂があるんですよ」
こっちに来てから坂本という人物の名前は聞いたことがあった。
だけど、新撰組が追う坂本と言ったら思い浮かぶのは一人だけ。
「坂本……龍馬ですか?」
私がその名を言うと、沖田さんは少し驚いて、それから頷いた。
「何か知っているんですか?」
「や、そういうわけじゃないんですけど、坂本龍馬は有名なんです」
新撰組さえあまり知らなかった私が知ってるくらいだしね。
テストにも出るよこの人は。