歴史の星空に飛び込んで
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「沖田君!……あはは、もう見つかってしまったね」
「や………山南さん……」
沖田は馬を走らせ大津まで来たところだった。
すぐ側には湖がある。
そんな静かなところで山南は林の中道をゆっくりと自分を過ぎ去っていこうとする沖田を呼び止めた。
なんで声かけるんですか、と沖田は苦しげな表情を浮かべた。
出来ることならば知らぬふりをして過ぎ去りたい。
彼女の笑顔を守るためにも。
「私を捕まえに来たんだろう?」
山南はどこかそれを待っているようだった。
「山南さん、どうしてこんな」