歴史の星空に飛び込んで
二人の愛
***
「山南さん、俺達が何とかするから逃げてくれよ」
「お願いだ、あんたには死んで欲しくないんだよ」
切腹を控えた山南の部屋に、原田やら永倉らがこっそりとやって来た。
それにも山南は正座のまま姿勢を正してニッコリ
「ありがとう。もう思い残すことはないんだ。私は武士として生きれたのだから」
そう言って沖田を見るとまた優しい笑みを山南は浮かべた。
「介錯を頼んでいいかな、総司」
「………承知しました」
初めて彼らと会った日を、山南は思い出していた。