歴史の星空に飛び込んで
「明里……!」
部屋の小窓を開けば、
外には自分が愛した明里がいた。
「山南さん、なんでやの?なんで?」
山南の表情が切なげに変わる、
明里はボロボロと泣いていた。
先ほど島原にやって来た永倉と桃に事情を聞いて連れて来てもらったのだ。
「すまない。君と夫婦になれないよ。遠くに行ってしまうことを許して欲しい」
苦しい。
先ほどまでなかった思いがどんどん体に溢れていく。
「君の幸せを願ってる」
「山南さん、」
「ごめん」
パタンと山南は笑顔で窓を閉めた。
切なくて苦しくて、
だけどそれでも笑みを浮かべた。