歴史の星空に飛び込んで
逃げの小五郎
***
「桃ちゃん元気にしたはりますやろか?」
「どうだろうね、ただ、彼女は再び私の前にあらわれるよ」
「なんで?」
「彼女の本はここにはあるからね」
パラパラと桂はその本をめくり綺麗に並べられた活字を睨んだ。
「へぇ、信じられへんくらい小さい字どんなぁ」
「あぁそうなんだ。未来の物故」
「あぁ、そうどすねぇきっと。なんや少しわかりにくいなぁ。」
「読めないこともないだろうが」
パタンと本を閉じ、桂と幾松は表紙に目をやった。