歴史の星空に飛び込んで
キタジは少し興味深そうに本を見た。
「これはなぁ、未来の物なんだよ」
「未来……?」
言ったのは涼香だった。
未来と聞いて気になったからだ。
自分を母と呼んだ少女のことを
「涼香にも前に話したことがあったな、
キタジ、教えてやろう。
この本はな、150年未来から来た少女と一緒に来た本なんだ」
キタジの反応は声に出すわけではなかったが今までにないくらい大きく変わった。
信じられないのか、
驚いているのか、
「…………桃……」
あんなに母を呼んでいた桃を思い出して涼香は小さく呟いた。